
新日本に隆盛をもたらした王者オカダ・カズチカ
放送日は2016年12月7日、ゲストは引き続き綾部祐二。有田に渡される週刊プロレスは2012年2月29日号(No.1618)。
2016年度の時点で絶対王者として紹介され、今でも新日のど真ん中でプロレスを盛り上げるレインメーカー『オカダ・カズチカ』について、有田が熱く語る。
その内容をちょびっとご紹介。
新日本プロレスの凋落
新日本プロレスには冬の時代があった。
1998年、長州力や闘魂三銃士が暴れまわっていたころ、新日本プロレスの売上は約40億円と第1次のピークを迎えていた。が、その後の格闘技ブームに押され、2005年にはなんと売上が15億円を割るくらいにまで急降下。確かに、この時期は、プライドとかK1の試合が大晦日にバンバン放送され、プロレスの影など全く感じなかった記憶がある。
さすがにこのようになると会社は立ち行かなくなり、新日本プロレスは“ユークス”という会社に出資してもらい、急場をしのぐ。
この大変な時期を支えたのが『新闘魂三銃士~棚橋弘至・中邑真輔・柴田勝頼~』であり、コツコツと新しいファンを積み上げたとのこと(この3人は別の回で紹介される)。
そして、2012年には、ユークスが経営権を手放し、“ブシロード”が親会社になる。そこから、新日本プロレスの大復活が始まった。
オカダ・カズチカの登場と新日の大復活
ブシロードの経営に代わってからちょうどその時出てきたのが『オカダ・カズチカ』。
2012年2月12日に、当時のIWGPヘビー級チャンピオンの『棚橋弘至』に、当時若干20代半ばの海外帰りのオカダが挑み、だれもが驚くピンフォール(3カウント)勝ち!!
そこからは、絶対王者として君臨し、新日本プロレスを盛り上げていく。
そのオカダ・カズチカのキャッチフレーズ&必殺技は『レインメーカー』。「新日本に金の雨を降らせる」と豪語したが、その通りになっていく。
そういえば、プロレスの試合だけではなく、ブシロードが売り出す『ヴァンガード』というカードゲームのCMや松潤が主演のドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』にもチャンピオンとして登場していた・・・その時は「誰これ?」と思っていたが。
2012年以降、プロレスの試合の演出、テレビやSNSによる露出UP、ネットの積極的活用など、ブシロードの戦略が功を奏す。女性ファンの獲得に成功し、ネット動画の会員数もどんどん拡大。その結果、新日本プロレスの売上はうなぎ登りに回復し、2019年には売り上げは54億円の過去最高を更新する。
経営企画を生業とする私の目から見ても、そのコンテンツの価値の磨き上げやマーケティング手法、WEBの活用方法は見事!!
コロナで一時的に停滞はするかと思うが、コンテンツが優れているので、今後もどんどん伸びていくのではないかと思う。
現在、ブシロードの株を購入するか検討中。プロレス特典の株式優待をつけてくれないかなぁ~、と思っている。
新日本プロレスの歴史において、その戦績や果たした役割からしても、オカダ・カズチカが立役者であり、重要なレスラーなのは間違いない。そしてまだ30前半で、プロレスのベストバウトにも本当に毎年のように選ばれている。まだまだ中心人物として活躍するにちがいない。
ただ、私は、特段、オカダのファンということでもないのだが・・・。
試合観戦記
この回で紹介されていたのは、IWGPヘビー級チャンピオンをかけて闘った2012年2月12日『オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至』。もちろん新日本プロレスワールドに収録されている。
試合はみんな棚橋の応援一色。オカダは完全にワルモノ。
試合の流れは、棚橋の2回目の必殺技『ハイフライフロー』をオカダが膝を立てて返り討ちにしたところからオカダのペース。最後は、必殺技『レインメーカー』で棚橋を撃沈!!
試合終了後、解説が「事件が起きた~!!」と叫んでいます。それほどの転換点だったのだろう。
ちなみに、試合後オカダはマイクパフォーマンスを全くしない。その後のインタビューでも、オカダはほとんどしゃべらず、外道さんが頻(しき)りに挑発的な内容を叫び、オカダは「敵はいない」「金の雨をふらせますよ」とニヤニヤしながらぼそぼそしゃべるのみ。
試合後、正義のヒーローっぽく出てきた内藤哲也がオカダに絡んで、マイクパフォーマンスをしますが、オカダに相手にされず、観客も冷めていてなんか不憫。
また“Season1No.011”で有田が解説してくれるが、内藤はこの頃は陽気なキャラで、滑り気味だったよう。
〇2012年2月12日『オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至』
